登呂遺跡に行った際、同じ登呂公園内の一角にある
『芹沢銈介美術館』にも立ち寄りました。
『芹沢銈介美術館』は、別名『石水館』とも呼ばれ、
建築家 白井晟一さんの作品として、「公共建築百選」にも選ばれています。
芹沢銈介という名前を知らずとも、暖簾や本の装丁など、
自然と目に触れていることが多い芹沢銈介の作品。
日本人らしい色づかいやモチーフを用いて、
素朴で実用的であるにもかかわらず、
どこかモダンで、今みても新鮮に映ります。
また、芹沢銈介は染色家としてだけではなく、
優れた工芸品の収集家としても知られ、
館内には芹沢銈介の作品とともに、
収集された工芸品も数多く展示されています。
工芸品の多くは、彼自身が旅先で集めた
アジアをはじめ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、オセアニアなど
世界各国の品々。
どの品も芹沢銈介自身が楽しみながら収集し、
いとおしんでいたのが伝わってきます。
鑑賞後には、芹沢銈介の一貫してブレない美意識と、
収集家としての卓越した審美眼に、
同じ郷里であることを誇らしく思いながら、
必ずまた訪れようと思いました。
もともとは宮城県にあった「板倉」を気にいった芹沢銈介が、自邸内に移築改築してつくられた
同じ登呂公園内にある『芹沢銈介の家』の室内には、世界中から収集された家具や工芸品があふれ、来訪者の好みに合わせて飾りつけるのが、芹沢銈介の大きな楽しみの一つになっていた
自邸を東京・蒲田から静岡に移築し、当時の雰囲気をそのままに残している
庭の樹木の一部も蒲田から移植されている