学生の頃から好きだった、清家清の代表作のひとつ
『豊雲記念館』のある『盛花記念センター』が、
この春、閉館されると聞き、閉館記念展に行ってきました。
『豊雲記念館』には、
華道小原流の三世家元である小原豊雲の再現作品とともに、
小原豊雲の美術コレクションが展示されています。
山の傾斜地を利用した広い敷地内には、
『豊雲会館』のほか、『旧家元会館』、『盛花記念館』など
小原流の建築が点在しています。
どの建物も傾斜のある敷地と一体化しながらも、それぞれに存在感があり、
それでいて、全体が絶妙なバランスでデザインされていて、
空間にもたつきや、よどみがありません。
なにより、小原豊雲の理想にどこまでもこたえようとした
建築家の思いが伝わってきます。
なにか、建築家が目指すひとつの答えを教えてもらったような、、
そんな気がしました。
「華道家・小原豊雲」と「建築家・清家清」という
二人の奇才だからこそ生まれた、
唯一無二のこの世界がなくなってしまうのは、なんとも惜しい。
昭和の名建築がまたひとつ消えていくことが、本当に残念でなりません。
今はただ、何かのかたちで、
この作品がこれからも存在してくれることを、願うばかりです。
山の傾斜に埋もれるようにつくられた『盛花記念館』から屋上庭園を望む
42歳という若さで亡くなられた四世家元・小原夏樹さんのインタビュー記事には、
苦悩しながらも、華道にどこまでも真摯に向かい合う姿勢に、心打たれました
豊雲記念館の外観 / 透かし模様の陶器ブロックはやわらかな光を室内に呼び込んでいる
地元の御影石をふんだんに使った豊雲記念館の入口
どこか神秘的な空間に思わず引き込まれてしまいます
かつてアトリエだったこの部屋は、石、ガラス、鉄が絶妙なバランスで組み合わせている