凛とした冬空のもと、
地鎮祭が厳かに執り行われました。
この家は、敷地の法律的な制限が厳しく、
さらに3.6mの高低差と、解体できない擁壁もあり、
修業時代にも経験したのことない、とても難しい設計となりました。
今まで培った知識だけでは、設計が叶わず、
新たに勉強しては設計し、新たに勉強しては描き直し、
長い時間がかかってしまいました。
その間、私を信じ、設計を預けてくださった建築主ご家族と、
ようやくこの日を迎えることができ、
式典の挨拶では、これまでの想いに、自然と涙が溢れました。
この日は 冬至でしたが、
冬至はこの日を境に日照時間が延びていくことから、
陰の気が弱まり、陽の気に向かう折り返し地点と考えられていたそうです。
この考えは『一陽来復』(いちようらいふく)といわれ、
長い設計期間が終わり、工事着工を迎える門出に
ふさわしい一日になりました。
祝詞奏上:神主さんが工事を祈り、祝詞を奏上します
鍬入れの議:建築主が鍬を持ち、鍬で盛砂を掘ります。
凛とした空気に包まれながら、静かに地鎮祭が執り行われました